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まるで万博!?
「テイジン未来スタジオ」で感じるこれからの社会
東京都千代田区にある「テイジン未来スタジオ」。モビリティからヘルスケア、ライフスタイルまで、さまざまな領域にかかわる帝人グループの技術や製品が見られるこのショールームからは、化学が私たちの未来の暮らしをどう豊かにするかが見えてくる。一般には非公開のこの場所に今回は特別潜入!その一端をご紹介したい。
帝人、車をつくっていました
「テイジン未来スタジオ」は、2007年のオープン以来、帝人の技術を紹介し、新たなコラボレーション創出の場として機能してきた。2019年には全面リニューアルを実施し、展示製品を刷新。「未来を創造する場」としてのメッセージを打ち出した。「テイジン未来スタジオ」は主に帝人グループのステークホルダーに向けた限定公開ながら、これまで約5万人が来館しており、広く帝人グループの描く未来を発信してきた場だ。
スタジオ内は白いトーンとLEDライトで近未来空間。そして真っ先に目につくのが、謎の赤い車だ。丸みを帯びたフォルム、フロントグリルにはデジタルで文字が流れるこの不可思議な車の名は「PU_PA Ⅲ」。ほぼすべて帝人グループの製品でつくられたEVのオリジナルコンセプトカーだ。車体は炭素繊維などが使われており、一般的な軽自動車の半分程度の軽さという。軽いということは、少ないエネルギーで効率的に走行できるということ。だから、環境にもやさしい。さらにダッシュボードは起動ボタンとステアリング、ナビゲーションシステムのみとシンプルかつスタイリッシュ。ネットワークシステムと化学製品が結びつくことで、これまでにないモビリティの可能性を示している。

“軽くて強い”帝人の素材が空や宇宙でも活躍
続いて、帝人が誇る化学技術がふんだんに活かされた展示を見ていこう。まず、来館者をもてなしてくれる受付の円型カウンター。驚くことに宙に浮いているように見えるが、よく見ると天井からロープで吊っているのだ。ロープは、帝人のパラ系アラミド繊維「テクノーラ®」を使用。実に、1本のロープで1トンの重さまで支えることができるという強靭さと高い耐熱性・弾性を持つため、過酷な環境下においても活用されている製品だ。その過酷さの最たる例が、宇宙。「テクノーラ®」は、NASAの無人火星探査機に搭載されたパラシュートの吊り下げ用コードなどに活用されており、宇宙開発の一助にもなっているのだ。ほかにも、飛行機の構造体には炭素繊維「テナックス®」が採用されるなど、私たちの暮らしに不可欠な乗り物は、帝人の技術が支えている。「テイジン未来スタジオ」ではこうした化学繊維を手に触れることができる。驚くほどの軽さを、機会があれば体感してほしい。

自然と化学の幸せな関係を編む
帝人は化学の力をもって、環境問題にも取り組んでいる。たとえば、漁網のリサイクルプロジェクト「Re:ism(リズム)」。このプロジェクトでは、使い終わったポリエステル製漁網が、廃棄され、時にプラスチック海洋ごみとして海洋汚染の原因となっていることに着目し、漁網の回収から再生までを可能にする仕組みを構築。廃棄漁網の洗浄から素材化、さらに素材活用による製品化まで、「使って終わり」ではないサーキュラーエコノミーシステムを構築している。この廃棄漁網から生まれた製品も、この「テイジン未来スタジオ」では見ることができる。また、スタジオの一角には美しい胡蝶蘭が飾られている。実はこれも、帝人のプロジェクトから生まれたもの。障がい者雇用と持続可能なビジネスの両立を目指し、オーガニック野菜や食用バラ、胡蝶蘭など価値の高い農産物の生産を行っている。振り返ると、帝人はすべての人の暮らしの質を高めるために、新しい可能性を切り拓いてきた会社、と言える。その観点からは、障がい者が活躍でき、真の共生社会を目指すこの事業も“帝人らしさ”にあふれているのだ。
化学は、あくまで人と社会の問題解決と未来の豊かな暮らしのためにある。そんなメッセージが散りばめられているのが、この「テイジン未来スタジオ」なのだ。
