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Project #04-1 「LIVELY VILLA Noki」プレイヤー座談会 #1
無柱軒下、大開口、大屋根…
“まったく新しい木造建築”ができるまで
これまでにない木造建築「LIVELY VILLA Noki」のモデルハウスが2025年6月に福岡県糸島市に、7月に熊本県阿蘇郡西原村にオープンした。そこで、このプロジェクトに関わったプレイヤーたちに、「LIVELY VILLA Noki」が生まれる背景から誕生プロセスを語ってもらった。
project member
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<帝人株式会社>
右から
松尾 淳(コーポレート新事業本部 アライアンスマネジメント部/企画、商品開発、ブランディング、マーケティング、営業)
佐藤 嘉弘(同上/企画、ブランディング、マーケティング、プロモーション) -

<株式会社リブワーク>
左上から時計回りで
田中丸高寛(営業部マーケティング課 課長 /販促プロモーション)
池田 尚弥(建築部工事管理課係長 /工事管理)
下川 政一(建築部次長 /工事管理)
柴原 崇志(営業部 課長 イオンモール熊本店店長 /販売)
田嶋 征也(営業部設計2課次長 /実施設計)
森川 梨奈(建築部コーディネーター課課長/内装仕様策定) -

<クリエイティブパートナー>
右から
中島立人(株式会社都市環境建築意匠設計事務所 代表/企画、設計)
鈴木 聡(ondo株式会社 代表/クリエイティブディレクション)
化学メーカーが建築を手掛ける理由
――LIVELY VILLA Nokiは、化学メーカーである帝人が建築をプロデュースするという、業種を横断したプロジェクトです。どのような経緯で生まれたのでしょうか?
帝人・松尾 100年以上の帝人の歴史で、建築をビジネスプロデュースしたのは今回がはじめてのこと。私たちにとっても大きなチャレンジでしたが、その背景には化学メーカーとしての危機感がありました。これまで私たちは繊維をはじめさまざまな製品を通して環境問題や人々の暮らしに貢献してきたという自負があります。一方で、素材のサプライヤーであるため、どう活用されるかはパートナー次第。本当に伝えたいメッセージを届けるためには、自分たちで責任を持ってプロダクトをプロデュースする必要があると感じていました。その想いが、今回のプロジェクトの原点です。
帝人・佐藤 LIVELY VILLA Nokiでは、「LIVELY WOOD」(ライブリーウッド)という帝人が開発した新しい木材が大屋根などに使われています。木に炭素繊維をかけ合わせ従来よりも飛躍的に剛性が増した木材で、これによって木造建築の可能性は大きく広がります。私たちは、これをお客さんに素材として売って終わりではなく、自分たち自身でこれまでにない空間とライフスタイルをお届けしたいと考えたのです。ただし、私たちは化学メーカー。建築を具体的なかたちにして社会に届けるアクションは未体験です。そこで、まずは建築家である中島さんとクリエイティブディレクターの鈴木さんに相談しました。
建築家・中島 「LIVELY WOOD」の価値を最大化できる建築はなんだろう? そう考えていたときに、日本の美しい近代建築の数々が頭に浮かんできました。つまり、外界に開かれており、広い軒下を持ち、ぬくもりと空間の一体性がある平屋の姿です。こうした日本建築の美は、最新の化学の力――「LIVELY WOOD」を活用することで、現代的にアップデートできる。具体的には、従来のスギ集成材の2倍以上の強さを持つ「LIVELY WOOD」であれば、下から支える要素が少なくてすみます。旧来の木造建築のさまざまな制約を取っ払うことができるのです。そこから、3mもの大軒下や柱を極力使わない大開口空間のイメージが生まれてきました。
クリエイティブディレクター・鈴木 設計のイメージを聞いたときに、そこで営まれるのびやかな暮らしがありありと思い浮かべることができました。現代の家は、外である自然と中である生活空間を切り分けることで成立しています。さらに、住居内のスペースも機能ごとに細分化されています。それは確かに便利なものだけど、人間本来の生き生きとした躍動感=ライブリー感を暮らしから奪うのではないか。だからこそ、自然と調和しひとつの空間を極端に大きくとったLIVELY VILLA Nokiは、お仕着せの空間に息苦しさを感じる層に強く響く、と感じました。端的に言えば、自由を尊び、新たな価値観を体現しているようなクリエイティブクラスです。PRにおいてはそうした層に届くよう、品格と遊びをキーワードに表現を行ってきました。
帝人・松尾 化学は、生活を豊かにする一方で、暮らしと自然の分離を促してきたのではないか。そんな想いが私たちにもありました。今一度、化学によって自然と暮らしを結び直す。それが、LIVELY VILLA Nokiを通した私たちのメッセージです。このように、LIVELY VILLA Nokiのコアな部分ができたところで、さまざまな企業とコラボレーションを行っており、全国のハウスメーカーや工務店とIPライセンスビジネスを行っているリブワークさんに相談しました。

「クイックに、かっこいい」が次世代建築のニーズ
――この打診に対して、リブワーク側の捉え方はいかがでしたか?
リブワーク・田嶋 率直にワクワクしました。これまでのコラボレーションは私たちが提案するかたちで進められていきましたが、このプロジェクトでは素材も設計もコンセプトもしっかりと定められている。そして、その先に新しいライフスタイルがはっきりと見えたのです。あとはそれを実際のかたちにして、より多くの方にどう伝えていくかが私たちの課題でした。まずは、モデルハウス用の土地を探すところから始めたのですが、これがなかなか大変でした(笑)。LIVELY VILLA Nokiの魅力は、大開口・大軒下がもたらす自然との一体感です。自然環境が豊かであればあるほど、その魅力は引き立つ。私たちの拠点のある九州を中心に土地を探し続け、少しでも気になったら帝人さんたちとともに視察を繰り返し、現在モデルハウスが建つ福岡県・糸島市と熊本県・阿蘇郡西原村の土地を選定するに至りました。時間はかかりましたが、ここならばLIVELY VILLA Nokiの魅力が最大限堪能できると自信を持っておすすめできます。
リブワーク・下川 私は現場を監督していたのですが、施工面でもこれまでにないチャレンジとなりました。「LIVELY WOOD」という新素材自体の扱い方もそうですが、構造上、鉄骨と木を複雑に組み合わせる必要があり、中島さんとも協議しながら、試行錯誤して実現できました。
リブワーク・池田 私は棟上げ後の現場を担当していたのですが、当初からはじめて見る空間で、圧巻でした。柱が極端に少なく、10mもの大きな屋根と軒下が引き立っている。ちょっとした奇観というか…。そこに徐々に肉付けしていく作業は楽しかったですね。
建築家・中島 モデルハウスが完成しノウハウも得たため、今後はよりクイックに施工も進められると思います。このプロジェクトで「スピード感」はすごく意識したポイントです。良い家をつくろうとすると、時間がかかります。でも、仕事に遊びに忙しく過ごす方々は、家にかけられる時間はそう多くない。そうした方々にとって、高い意匠性を誇りながら、一定の規格で揃えスピーディーに施工できるLIVELY VILLA Nokiは、強い魅力になると思いました。

大切な誰かと、自然と、つながる場所へ
――モデルハウス内の空間は、どのようなイメージで仕上げていきましたか?
リブワーク・森川 この贅沢な空間を邪魔せず、でもしっかり映えるプロダクトを妥協なく追い求めました。照明、キッチン、建具など、いずれもシンプルでありながら品格が感じられ、“色気”がある空間となったと思います。特に、この大きな引き込み窓は、家の中にいながら外とのつながりを生み出すポイントになっています。
リブワーク・田中丸 この家の魅力をどう伝えるかという点では、あえて「語りすぎない」ことを大切にしています。ここに住みたいと思われる方は、揺るぎない価値観や暮らしのイメージを持っている。そのイメージを最大化できる余韻や余白を伝えるようにしています。たとえばこの大きな軒下は、ヨガや瞑想にもいいし、仲間とのBBQにもいい。もちろん家族でのんびりくつろぐ場所としてもぴったりです。共通点としては、人の体温がすること。ひとりではなく、気心のしれた誰かと過ごすシーンを思い描いて、訴求しています。
リブワーク・柴原 住居としてはもちろん、糸島も西原村も素晴らしい景観に囲まれており自然も豊かなので、非日常に癒やされる別荘としてもニーズがあります。おかげさまでリリース後多くのお問い合わせをいただいており、モデルハウスに訪れていただいた皆様は一様に感動されています。ぜひ、モデルハウスに足を運んで自然との一体感を感じていただきたいですね。
